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驟雨のあと


 午後から雷鳴と驟雨があり、酷暑の天候に変化の兆しを感じる。来るはずの生徒が休んだこともあって、午後3時ころから芦屋のS夫人宅を訪ねて行き、先日お互いに見にいった映画(『骨なし灯篭』)の感想や、農業や教育の危機にについて語り合う。このままでは日本も世界もどうにかなってしまいそう、われわれはイダキシン先生に出会えて、そこに究極の解決があることを知っているから、本音に生き、魂の光を見失わないように精進していけばいいのだが……などと。ただ現実生活の上では、会社の運営や社交上の誤解と不信などで苦労が絶えないことなども。ちょうどわたしは、寝苦しい明け方に、このままでは9月末に運営上の破綻が来ると思って、焦りと困惑に陥っていた。ただ、それは「いま」ではないのだから、いまは心配や不安に駆られていないで、やるべきことを地道にこなしていくしかないと思っていたところだった。熊本県山鹿市の「山鹿灯篭まつり」をモチーフにした映画の世界のように、生きる悲しみと魂との出会いが溶け合って、優しく支え合って暮らしている人々のことが、語り合う二人の基調になっていた。もちろん、イダキサウンドがずっと流れていたが……。
 よいときを共有できたと思う。やはりたまには人と話し合うことの大切さを知った。S夫人には、「歩く」ことを勧め、たまには山歩きにご一緒しようと告げる。日が射し、また暑くなった夙川沿いを歩いて帰りながら、そうだ、わたしたちは「イダキシン先生」に出会えているのだ、くよくよしないで前進していけばいいのだと胸を張ったのだった。(8/5)

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