雑木林は魂の拠り所

野火止用水と平林寺界隈を散策し、雑木林の魅力を堪能した。東久留米の氷川台の知人宅を訪ねたが、裏の雑木林とともに更地になり、新築の建売住宅が売り出されていた。清瀬の親戚の家も同じだったので、そぞろ哀しさを覚えながら、足を延ばしたのであったが、雑木林は魂を癒してくれ、道の消失点には何者かが導いてくれる風情があった。しかし、寺のパンフレットで、ほとんどのそれが人工林であることを知り、驚いた。そして、松平信綱が玉川上水と野火止用水を結び、肥沃な新田開発をした名残であることも知り、何か先日亡くなった中村哲医師に通じるものを思い、命を紡ぐ人たちの熱い思いがそこにあることも知り、人間の営為の貴さを理解した。街道沿いに鬱蒼とした欅の大木があり、そこだけが異空間のような、未知の地形であるようなところを通り、武蔵小金井まで行く。
そして、この度の連続「高句麗伝説」は雑木林の原点のような「いだき」の大木に至るものであり、なぜか感涙し、ああ自分は良いところにいるのだ、という至福感に包まれるのだった。失礼な言い方だが、先生方の誠意そのもの演奏と、全く異次元の音と声に、もうひたすら身を任せているすばらしさ！おかげで、つぎに進むおおきな「力」を手にしました。ありがとうございます。