豊かな時
イラン テヘランでの「高句麗伝説」上映会では、とても充実した経験を頂きました。
イランの高句麗伝説上映会は、どうしても行きたい気持ちが湧いてきて申し込みました。上映会が始まると、一瞬一瞬が今であり、今まさに経験し、惹き込まれました。特に後半から終盤にかけては、とてつもない存在がぐっと現れ出でて、魂が要、要へと収斂しながら一斉に渦巻いて私達を引き込んでいくようで圧巻でした。この経験はいったい何なのか。新生 高麗屋さんの空間、そこで出会う存在の計り知れなさに畏怖を覚えます。
香り高きコーヒータイム(素敵なネーミングです)では、高麗さんからイランの現在の厳しい状況と体制のことや、イラン人の思慮深い気質のこと、以前は至るところで即興詩を詠む人とそれに聞き入る人の姿が見られたこと、外はイスラム教だけど中身はゾロアスター…等々のお話をお聞きして、イラン、イスラムの文化、国々がとても心に深く入ってきました。今の体制がどんなに厳しくても、イスラムには世界の要になる何かがある、それがいつかきっと表に現れ出る…と、とても強く感じました。
日頃お話することがない受講生の方々の、上映会の感想、感じたこと、考えていること等をお聞きすることや、皆で共感し合い、コーヒーを飲みながら楽しく過ごせる時間は、人間であるのことの実感が湧いて、とても豊かであり、幸せと感じました。
地下にオープンしましたギャラリーにもおじゃまさせて頂きました。ここに入るのは私には本当に何年振りですが、そのような時間の経過を感じず、いつもここに居るように感じました。
高麗さんが地下に降りてきてくださり、ご自身が書いた筆文字の詩の和綴じノートのページをめくりながら、書かれたときのことをお話くださって、私達が高麗さんのそばに小さく集まって、一心にお聞きしている瞬間が、何か遠い昔にもこういう瞬間が確かにあった…と、不思議な懐かしさと温もりを感じて、今もその懐かしい温もりが体の中にあります。
尊い瞬間でした。ありがとうございます。
地下ギャラリーでは思いがけず、写真額を決めさせて頂きました。薄雲が流れる透明な空、その下に広がる湖、雪化粧した大地、雑木林の梢越しに見下ろすその静かな風景に心惹かれました。見下ろしておられる御方の心を感じ、その心に自らの心を合わせる時、魂は遥か彼方へと飛翔していきます。大切に飾らせて頂きます。ありがとうございます。
今週は季節がぐっと進んだように、街路樹は色づき、吹く風は冬の匂いを運び、黄色や赤の木の葉がくるくる回りながら飛んでいきます。盛岡で見た光景が心に重なり見え、また、子供の頃の遠い光景もそこに重なってきます。
盛岡、三鷹でのコンサート、狛江の応用コース…と恵まれた経験をさせて頂いて、深まりゆく季節の中、状況がどうあっても心は、内面は、時空を超えて豊かな時を生きています。
ありがとうございます。
