語り合う友が欲しい

年齢、性別、職業にかかわらず、話し合う友が欲しい。いや、職場での会話や、知人との話し合いがないわけではない。だが、挨拶や軽口、常識の確認、軽い冗談、心配の共有以上に話し合い、意見を交わす機会があまりにもないのである。さりげなく深い心に触れ合いたいし、差異を明確にしつつも止揚が起こるような話題を語り合いたいし、共感と信頼が沸くような話し合いがしたい。一時は、うまくいきかけたこともあったが、相手が病気で終わってしまった。バーじゃなく、駅近くの喫茶店で、「どう生きていくか」「素敵な本の話題」「自分の素晴らしい旅の話」「伴侶への愛と不満」「日本の将来」など、学生のように青くならず、老人のように投げやりにならず、批評家にも皮肉家にもならず、穏やかにひと時話し合いたいものだ。