詩:路傍の紫陽花
路傍の紫陽花
国道の植え込みに一叢の紫陽花があって、梅雨空の街路を明るくしている
近寄って見れば、色褪せもあり、花弁も不格好なところがあるのだけれども
こんもりと紫のいくつかの盛り上がりが、なぜか体調の低迷と晴れやらぬ気持ちを
さらには町全体の憂鬱さ、世の不安も、かろうじて支えてくれているようにも感じる
5月後半からもう一つ元気が出ないのだ、ちょっと山歩きしてもとても疲れる
高校で若い生徒たち話し合ってと話し合ううちはいいのだが、帰路車中は居眠りばかり
空き時間に机に突っ伏して寝込んでいたら、教頭に「大丈夫ですか」と起こされた
いや、このところまた血圧が少し高くて、どうもいけません、と笑って言うが……
【血圧140台~90台前後、他に疾患なしとの診断】
78歳になって二か月、いよいよ人生の終焉期に入ったのかとも、いやな自覚だ
お年寄りほど元気で、豊かな知恵の発露の黄金期、気持ちと頭は、いたって元気
まだまだ勉強して、本も読み、自分と世の中の「深奥」を極めていきたいものだ
老成を願い、老衰を嫌い、年齢や性や貧富、常識や経歴を越えて、新しく生きたい
努めて休養を取り、温泉や整体にも行き、医者にも相談し、やっと回復期に入ったようだ
7月には穂高へ高校生を連れていく、緊急事態宣言の後、セミナーも再開するつもり
一年ぶりの「ことのはのさやぎ」(通信)もまもなく出来る、それを送り、手渡しして
みんなに支えられ、みんなを支え、少しでも確かなプレゼンスを創っていきたい