詩:秋の悲しみⅢ
秋の悲しみⅢ
ひきこもりの双子の姉妹の妹が自殺未遂を図ったそうな。姉たちがショックでふさぎ込む。
双子の姉妹とは、まるで生活感が違い、「いま」さえよけりゃいいのと、交流もなかった由。
ボーイフレンドとの仲や、就職失敗のことで、二階から飛び降りたとか。入院していると。
隣り同士の住まいだが、他人のようなもの。それが二人には深い影になって元気を奪う。
二浪中の男子の体調がすぐれず、山の奥の自宅で寝てばかり、一向に勉強に来ないのだ。
たまに来ても、不機嫌で、いらいらするばかりで、勉強なんてしても意味がないとうそぶく。
だが、かれの頭は悪くない、偏差値は60くらいあるから、プライドもあり、始末に悪い。
両親、特に父親への反発強く、母親は「勉強しなさい」ばかりで、あまり問題意識がない。
11月も今日で最後。「コロナ禍」で落ち込む仕事のことや、人との交流の少なさが悩みの種
双子の姉妹に掛ける言葉も見つからず、かれをやる気にさせる方法も分からず、気が晴れない。
ただ、かれらと話せば、かれらの表情が明るくなり、わたしの言葉がかれらの助けにはなる。
ここでわたしがめげないことが大切と、少し競い立つと、一層秋の悲しみが身に染みるのだ。