詩:琵琶湖の畔のコンサート
琵琶湖の畔のコンサート
明るい春の朝の空
ほんとうに笑うような六甲連山
遠く摩耶長峰山のピークがエールをくれる
大きな図書館のビルや、戎神社の森も見えて
駅前の高層ビル群も、自信をもって聳え立っている
心が鞠のように膨らんできて、胸が広がり、息が深くなる
そう、今日は、琵琶湖の畔で、コンサートがあるのだ!
言葉の奴め、いつもわたしを襲ってくる
わたしが言葉を好きなのを知っているからか、変な奴ばかりが
不満に不安、懸念に心配、不振と不運、無能に無力
貧しさと暗さ、老いと孤立、病気や体調不良、疲労と苦痛
昨夜も悪夢に苦しめられ、あきらめを強いられてしまった
ちょうど流し台の汚れのように、洗っても洗ってもすぐに汚れる
どんどん外に出してしまえばいいんだ、と師はおっしゃっていた
そう、今日は、琵琶湖の畔で、コンサートがあるのだ!
※琵琶湖は、なぜかわたしの心のふるさと
学生時代、生と性に苦しんだら、たずねた湖北海津あたり
我はうみの子、さすらいの旅にしあれば……、「琵琶湖周航の歌」
青年時代、感性と知性の研修に通った、近江舞子、雄松が埼
行方定めぬ波枕……、だが、たしかな自分にも出会ったっけ
家庭や結婚生活に苦しみ、愛知川の畔をさ迷い、死にたくもなった
能登川の芦原の宿に、死にに来た女性の小説の影響か
比良・武奈ヶ岳、雪の堂満、御在所岳に伊吹山、湖北賤ケ岳
遠く琵琶湖を望みながらの登山遍歴が、わたしを強くする
人麻呂の歌や、蒲生野の恋のやりとり、渡来人の足跡
時を越え、今に伝わる悲しみや喜びに触れられるふるさと