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詩:手を握られて


手を握られて  

それまでさりげない会話を交わしていた18歳の少年が
ふと、わたしの肩に近づき、そっと手を握ってきたので
軽い戸惑いをするが、その「やさしさ」に胸が熱くなる

「先生はおいくつなのですか?」「もうじき82歳になります」
山岳部の臨時顧問のようなことをしていて、何度か山に行く
その会合が能勢の山小屋であり、呼ばれて、行ったのだった

「頑張ってください!」――—逆にかれに励まされてしまった
かれはやがて京都の大学に進学し、経営学を学ぶのだとか
さりげないボディータッチがわたしの心の時の壁をなくす

いつも、こういう「やさしさ」の中で生きていたい
性別や年齢や、家庭や境遇がどれだけ違っていても
社会が乱れ生活が追い込まれ、絶望の淵にあっても

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