詩:万年筆ー丁寧に生きるために
万年筆
【たかが筆記具、しかし、丁寧に字を書き、丁寧に言葉を使い、丁寧に生きるために、
心を致すべきなのだと思う。どうもわたしは、軽率で、雑でいけないのだ。】
秋が深まった昼下がり
神戸元町の「ペン&メッセージ」まで、万年筆の修理に行く
10分ほどのペン先の研磨修理で、驚くほど書きやすくなる
今まで万年筆は随分買ったが、修理して使う発想はなかった
生来の悪筆なのに、書き殴ってしまう癖があるので、余計下手になってしまう
高級万年筆を買えば、少しは丁寧に書くようになるかと期待したが
これはもうどうしようもないこととあきらめていたのだ
ところが、先日、森なんとかという元タレントのレーサーが47歳で初優勝し
かれは自分のバイクの修理に余念がない、というようなことを言っていたのだ
それで、改めて自分の道具や日用品をもっと手入れしなければと思ったのだ
以前、県庁に用事があり、その店を見つけ
亡父にもらったことのある「ウオーターマン」の万年筆を直してもらった
そうしたら、もう見違えるように書きやすくなり、記述が進んだのだった
しかし、そのペンは、そんなもの安いもので沢山、と言ってた人にやってしまう
彼女は大いに喜び、高級チョコレートを贈ってくれた、大切に使いたいと
万年筆を大切にする人は、言葉を大切にする同志だと思うので、うれしかった
ずっと使っていた「ペリカン」の方は、まだ修理ができてこない
少し大げさに言えば、何かわが子を修行に出しているような気もする
だから、今日修理してきた「セーラー」の万年筆で、当分記述するつもり
屋敷町のような県庁界隈の秋のたたずまい
北野の方から流れてきた観光客とともに、三宮の方に歩く
なにかわたし自身が医者に行って来たような気もし、心が膨らむ
路傍の喫茶店で、コーヒーを飲みながら、本を読む
良き日曜日である