詩:ゆっくり
ゆっくり (9/12☞9/15推敲)
ゆっくりしか歩けなかった
どうしてもそれを受け入れがたかった
つまらないことだが、気が滅入る
人に追い抜かれるたびに、ムッとしていた
久しぶりだし、足も痛いのだから、と思っても
汗ばかりかいて、何度も水を飲んで
ゆっくりしか歩けなかった
高座の滝から風吹き岩まで55分(コースタイムは40分)
風吹き岩から雨が峠までは60分(コースタイムは45分)
雨が峠から住吉川源流までは25分(コースタイムは20分)
七曲がりの急坂を経て一軒茶屋までは50分(コースタイムは55分)
そして有馬温泉虫地獄までは75分(コースタイムは85分)
次第に調子が出てきて、足は痛いままではあるが、元気も回復する
なんと名刺入れを落としたらしいことに夜気づく、物忘れもか
てっきり出発点の芦屋川駅の小広場のベンチだと思って
夜中にもう一度スクーターで行ってみるが、もちろんなかった
交番にも届け、駅にも問い合わせるが、習得されていないとのこと
ところが、今朝になって、有馬の人から炭酸公園で拾ったと電話あり
親切な人で、西宮に行くことがあるので届けてあげると
それで、夜、帰宅して、名刺入れと再会――運は親切と共にそばにある
ゆっくりしか歩けなかった
どうしてもそれを受け入れがたかった
つまらないことだが、気が滅入る
人に追い抜かれるたびに、ムッとしていた
久しぶりだし、足も痛いのだから、と思っても
汗ばかりかいて、何度も水を飲んで
ゆっくりしか歩けなかった