詩:ときどき鼻血が
ときどき鼻血が……
先月下旬から、三日おきくらいに鼻血がドバっと出るので慌ててしまう
左の鼻腔がむず痒くなり、指でほじくると、ドッと出て、詰め物して10
分くらいで治まる
止血してしまえば、あとは普通になり、すこし顔と頭が熱い感じがする
程度、元気になる
三回目に耳鼻科に行き診てもらうが、特段のことはなく、薬を鼻の奥に塗 布する程度
一週間ほどして再診、これで止まらぬなら電気で焼きましょう、と怖い ことを言われる
そして、今日は学校で。小康状態で中退し帰ってくる途中、難波駅で、ま たドバっと
血圧の高さとも、風邪症状とも、あまり関係なさそう、もしかしたらス トレスか
三年前、共感と洞察の力を養う組織を立ち上げた知人が、昨日、膵臓癌で急逝したとのこと
わたしより若いまじめな人で、ある講座で知り合い、吉野山で「言葉サロ ン」もやった人
そのかれが、友人の吉野の地域振興の一助と植えた椎茸が、今年は一杯 できているそうだ
生に真摯に向き合い、家業の再興に力を入れていたのに、死は容赦なく無 慈悲にやってくる
いくら他者の幸せを願い、世の平和を求めても、本人が病気になり、命 を落とすなんて
何とか救うことはできなかったのか、大いなる力は働かなかったの か、と悔やまれる
かれのストレスは強く病魔の餌食になったか、死で次元を変えざる を得なかったのか
生命、健康、寿命、死……、一番大切なことをあまり考えず、むしろ遠ざけての喜怒哀楽
金銭、競争、成果、優劣のために擦切っていく頭脳と肉体、何とか理屈を つけてごまかす
でも、かれもわたしも、一生懸命ではあるのだ、無知蒙昧を避け、創造的に行動してきた
わたしの鼻血が、かれの死が、大いなるものからの黙示禄……、暮色を眺 めつつ思念する