詩:さびしさ
さびしさ
コンビニの前につながれた大きな犬と目が合った
きつね色のふわふわの毛と黒い大きな目がかわいい
だが、そのときわたしの心には「さびしさ」が滲んできたのだった
愛着は孤独とつながっていることに気が付いたのだった
先日、愛用していたバイクが故障し、廃車せざるを得なくなってしまった
あかね色も随分くすんでしまったが、「ジョーカー」らしい格調があった
そう、そのときも喪失感とともに、身内をなくした「さびしさ」を感じていた
愛用は孤立とつながっていることに気づかされたのだった
銀杏の黄葉が街路に散らばり、遅い午後の秋空は深まるばかり
そこを歩いて行くだけで、心に「さびしさ」が滲み、哀しくもなる
身内もなく、年齢を重ね、安心できる財もないから、そうなのか……
いまは元気で、仕事もし、人とも出会い、真っ当に生きているのに……
いや、この「さびしさ」は、あまり嫌じゃないし、肯定感につながっていく
むしろ、ひとり前を向いて生きているからこそ、感じられる心の色なのだろう
孤独は、人やものと深くつながっているからこそ、さびしく光り
孤立は、世間や世の中に深く係わっているからこそ、さびしさを増す
【いだきの講座の場やコンサートのときは、「さびしさ」は全く感じません。むしろ反対の「にぎやかさ」や「ゆたかさ」を感じます。ありがたいことです。もちろん、この詩は、わたしの「さびしさ」を否定したいのではありません。開き直っているわけでもありません】