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詩:「パノプティコン」


「パノプティコン」

まだ空が青いので、夕景の街が懐かしい佇まいを漂わせている
街路樹に鳥が帰り、人々も静かに行き交い、バスが通り抜けていく
そう世界中が叫ぶ「ステイ・ホーム」の一日が終わろうとする

朝から本を読み、たまった書類を整理しながらラジオを聞く
とうとう兵庫県でも高校は19日まで休校にするとか
そして、あしたにも「緊急事態宣言」が発布されるとか
ちょうど新聞で、フーコーの「パノプティコン」のことを知る
ふだんに監視されているという意識が規律を内面化すること
コロナとの闘いに、真っ当な市民として参戦したいけれど
心の内まで、そして言葉まで片苦しなり、光を失うのは厭なこと

『監獄の誕生』を獄中で読んだ人のようにありたいもの
たくさん読み、たくさん書き、そして自由で強い心を養うのだ
あした77歳になるけれど、そんなことどうでもいい!

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