詩:「ステイ・ホーム」
“ステイ・ホーム”
「コロナ禍外出自粛要請」という変な言葉のために
どうしたらよいのか、街も人もわからず、憂鬱な春だ
とても春とも思えない冷たい雨が降り続くので
桜並木も公園もくすんでしまって、元気がない
先が見えない不安と、悪魔にやられてしまう恐怖と
自分一人ではどうしようもない困惑が宙ブラリのまま
でもあっという間に一日が終わってしまうのだ
ゆっくり寝てしまうのと、掃除や洗濯や家事ひとしきり
もう30年ぶりの書類や資料の整理、そして読書と創作
あるいは友人への長いメールやブログ書き込みなので
読むことは治療、書くことは回復、話すことは解放
孤立と独善と疎外とを避け、受容と共感と創造に
お金の心配は後回しにしよう、貯えがなくともいいさ
正気を失わず、笑顔を絶やさず、しぶとく生きるだけ