見晴るかす緑洋(緑の海)
個人的にも限界状態、社会的にも問題山積、なのに仕事の停滞……。なにのんきに山歩きしているのかと、まじめな自分が渋い顔をしているけれど、昨日は夙川の河口の海から遡行して、全長6.7㎞、高度309mの源流付近まで行ってきた。はじめは、夙川公園のオアシスロードや上流緑道で、夏のプロムナードを楽しむが、北山公園からは登山道に。懐かしいボルダリングの聖地を巡って、一つのピークに接すると、そこに「緑洋展望台」があった。たしかにむせかえるような緑の木々の向こうに、西宮や尼崎の市街が見渡せて、さっき出発した香櫨園浜も確認できる。へえー、あんな低いところから、もうこんなに登ってきたのかと、余裕の笑みが漏れる。さらに、「ガベノ城」という変な名前のピークに向かって登っていくと、もう尾根は全部「緑洋展望台」だった。汗いっぱいかいただけ、水を一杯飲んだだけ、体が空っぽになったみたいだった。なによりも「欲望」が消え、食欲も休息欲もなくなってしまって、ほとんど何も考えず歩いていた。明日、またゼロからの出発ができるぞと思いながら。(今日、コンサートに行けることが安心の材料だった。)