KEIKO KOMA Webサロン

薫る香り吹く風に


応用コース、「死について」を経験し比叡山の工房に帰ってからは、胸の内から生まれる詩を書きたい気持ちで、墨と筆を用意し、マーブリング和紙を前にしました。マーブリング模様と色合いから薫る香りを言葉に表す時、生きていることの幸せを感じます。震災後に初めて盛岡にて開催した先生のコンサートにて、被災地で見た死霊が胸の内から次から次へと抜けていくことが見えるようにわかりました。最後に、不意をつかれたように、「君」と呼ぶ魂の声に全身鳥肌が立ちました。当時は、まだ惚ける癖があり、そのままなにもなかったように過ごしてしまいました。その後、自分が身を運ぶ場にて出会う高麗所縁の地にて聞こえる呼び声「君」に飛び上がる程驚くことが続きます。この地には「君」と呼ぶ魂が眠ることを受け入れはじめました。「高句麗伝説」にて詩を詠む時、胸の奥から突き上げる慟哭に、人間の計り知れない存在を身にしみ感じます。胸の奥深くの震えが何によるのかを認識できない愚かな人間であってはいけないことだけは身にしみ感じ、人間とは。。。を考え、人間とはどのように生きる存在か、人間の存在の神秘的なことをわかりたいと望みます。昨夜は薫る香りは古の雅な香りであり、美しい魂の香りでした。魂震えながら、生まれる言葉を墨文字にて記す時、魂が共にあり、これから共に生きていける感謝に震えていることを生命をもってわかるのです。あるマーブリング和紙から薫る香りはよく琵琶湖の辺りのホールにて開催する時に詠ませていただいた詩の一節が生まれます。夜道を仲良く肩を並べ歩く幸せな時と突然別れが訪れ、引き裂かれた悲しみとが、ここに蘇るのです。たくさんの魂が高句麗伝説に向かい集っていることを体感します。

東京へと発つ朝、仲間がお掃除に来てくれました。昨日、ある御方にポルトガルのエッグタルトをいただきましたので、4等分し頂きました。ひとつより残っていなかったので、4等分すると、ほんの一口にもならない量でしたが、先生焙煎コーヒーをアイスコーヒーにし、高麗水のグラスに入れて一緒にいただきました。とっても美味しく、皆で幸せを感じました。自然とポルトガルにて初めてエッグタルトをいただいた時の風が吹き、風吹くままに語っていました。リスボンの街を歩いていた時、通りに小さなカフェがありました。カフェといってもアラブ的な香りがするカフェで、土間のような床にテーブルや椅子があったかどうかも覚えがない程ですので、カフェを出している場所としか記憶に残らない簡単なカフェでした。ターキッシュコーヒーとポルトガルでは昔から家で作りおやつで食べているお菓子と聞き、エッグタルトを頂きました。とびきり美味しいと叫ぶ味でもなく、ごく自然に体に入ってくるのです。とってもぬくもりあふれ、爽やかであった体感だけが記憶に残っています。それ以来、お菓子の話しになると、今まで食べたお菓子で一番美味しかったのはリスボンで食べたエッグタルトと答えるのです。今日も、この時のことを仲間に話しました。美味しかったですか、と尋ねられ、今もこうして話している美味しさなの、と答えていました。飛び切り美味しい味ではなくても、自然に体に入り、忘れられないとはすごいことと改めてすごいことと感動しました。他愛ないことですが、今日は、先生焙煎コーヒーとエッグタルトの体感に包まれる1日でした。頭の中はニューヨークの作品展のことで一杯です。未来へと向かうのみです。そして一週間後に死ぬとしたら、先生のコンサートを満席にと考え、頭を入れ替えています。

三鷹の地にてふと気づいたことがあり自分でも驚きました。毎夜見る夢は私は未だに高麗家にいる身である夢です。家を出て、自分が住む家を借りることはできるのに、父母の為に煤だらけの高麗の家に居候しているような状態で住んでいるのです。長男夫婦に気を遣いながらも父母の為に我慢している感覚が未だにあることに、突然気づいたのです。夢の話ととらえていましたが感覚的に身についているのだとふと気付きました。先日の2時間通しの迎賓館コンサートにて経験しました生命の奥深くに届いた音により固い扉が開かれ、恨み言がでてきたことによる気付きと考えました。いずれにしても、家という枠の中で生きると恨み言が多くなると苦笑しました。女という範囲内も同様です。全ての枠内、範囲内で生きることは、自分を偽り、自分を恨みます。先生のコンサートで経験させていただく、大宇宙の中心にある生命で自由に飛翔し続け生きていく時が訪れ、心よりうれしくありがたいです。毎夜見ていた高麗家の夢ではいつ、家を出るかと迷っているのです。未だにです。が、やっと突然気づき、全ての過去もこの世で身についた型も枠も範囲も壊れ去りました。

今日となりましたが、昔先祖が国司を務めていた武蔵國であった府中にて先生のコンサートがありますことが、すごいことと見えるある道筋が見え、一人で武者震いし笑っていました。そして東北での「高句麗伝説」へと向かうのです。おおいなるはたらきかけが共にある歩みに感謝します。ありがとうございます。

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東京にて
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NPO高麗 迎賓館にて
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聖天院にて