自然の篩
ここ最近、毎晩のように明け方になると短い夢を見ます。しかも、とんでもなく突拍子もない夢です。自分が窮地に陥り、必死で抜け出す夢なのです。自分の弱点であることを、夢を通して試練を乗り越えていくかのようです。目覚めた瞬間は、またかとつい考えますが、気づかせていただいているのだと気づきました。
私は今、リハビリに通っています。左足を庇うせいか右膝を痛めてしまい、筋力をつけるストレッチを毎日自宅で行っています。先生の仰った筋肉の話は、お陰でよく分かりました。改めて自分の体と向き合っています。今朝のリハビリ痛院の時、理学療法士の男性が体の不調により、検査を受けたと話し始めました。「このまま時間だけ過ぎ去っていいのか」と、語り出したのです。穏やかな表情は男性には見えず、静かに水が流れるように、人生を語るのです。「何かやりたい希望はありますか。」問われた私は、リンパ浮腫のことを語っていました。わずか数分で交流し、深まる時間がありました。まさかこの人と、こんな風に語り合うとは思ってもいませんでした。20分間のリハビリ中に流れた、確かな時間を見ました。私がどんなに願っても、まるで自然の篩にかかったかのように、過去へと過ぎ去る人もいます。私は、悪い癖でそれを悲しみ、何とかしようとしていました。でもそれは、余計な大きなお世話なのだとよく分かったのです。今、自分にあるものと新たに出会い、どんどん先に向かっていくのです。あらゆる現象が、教えてくれています。ありがたいです。京都に向かう今、東京の曇り空から青空へと広がっています。コンサートを、よろしくお願いいたします。