素直なまま

迎賓館コンサートでは、今思い出そうとしても何も思い出せないことに驚きます。一昨日の夜から頭がぼんやりしているのに加え、演奏途中で首根っこを掴まれたかのように、あまりにも首筋が重く痛く、肩凝りが酷いのかと思っていました。右手でベース音を弾かれる大好きなフレーズが鳴り響く中、「何をしているんだ」との強い気持ちが湧き起こります。目の前で、然も迎賓館で、この大好きなフレーズを先生がずっと渾身の力で弾き続けて下さっているにも関わらず、あまりにも自分の状態が情けないとしか言いようがありません。ですが、どうしようもないのです。怒涛の嵐のようなピアノの世界に身を置いていました。休暇時間後に先生が仰った、「嘘ばっかり」との言葉に自分の状態をみました。世の中と経験させて頂いている世界とのズレの中にいることをお聴きし、少しほっとしました。「愛のリズム、テンポ」を経験させて頂き、ありがとうございます。昨夜、何をどう表現していいのか、まったく分からず頭もぼんやりとしていましたが、今朝目覚めた時は頭の状態が変わっていました。何も思い出せず、何も書けないことが大きな経験だと気づきます。目的、成果、言葉、囚われていることに気づく朝です。

先生、お誕生日おめでとうございます。いつもありがとうございます。何も映らないカメラと空気を映すカメラは、深く心に響き考えさせられます。人生は深く、面白いと気づかせて頂く連続です。今日もよろしくお願いします。