眠る湖
1日1日の時間の密度が濃く、気づけばもう12月であることに驚きます。
びわ湖コンサートではまるで湖の底にいるような、何かに覆われているような感覚、上を見上げると水面に反射する光が朧気に届くようで、どこか鈍い感覚は覆われた歴史のヴェールをかぶっているかのように見えました。第一部では幾重にも覆われたヴェールが音を押しのけるかのようでしたが、第二部に入ると空間が1枚ずつヴェールをはがすかのように透明度を増し、眠る湖が少しずつ揺り動かされるような感じがしました。
迎賓館コンサートはライブ配信でお聴きしましたが、その日の午前中に一時的にではありましたが物凄い雨が降って、スコールのようでした。生暖かい風がこの季節にそぐわず、どこか不安に苛まれました。途中の先生のお話で、ふと人間とは人の間と書くということを改めて気づき、人と人との間に働く力があることがあるからこその人間なのかと感じました。人と人との間に働く宇宙からの力、あまりに雄大な演奏は輝き満ちる海のようでした。迎賓館のピアノの重厚な音、深い愛の波に吸い込まれるようでした。どこにいてもまたどこにでもある宇宙からの力、永遠に通じる世界でした。大きな愛をありがとうございました。