白鷺の白い羽に
冬枯れの夙川に佇んでいる白鷺の、その純白ぶりに打たれてしまった。どうして汚れることも、みすぼらしくなることもなく、あんなに真っ白なのだろうか。その白い光が黙示禄のようにも思えて、あれは「命の光」なんだと気づく。そして、生きているということは、あのように美しくなくてはならないんだと思う。本質の力を見失ってはならないんだと思う。
わたしの「光」とは何なのだろうか。自画自賛ではなく、欺瞞でもない、わたしの「本質の美」を考えてみた。たとえば気持ちの素直さ、あるいは端正さ。そして若々しさ。(高齢者の口にすべきことか、ちょっと気恥ずかしいが……。)また、行動の柔軟さ、あるいは凛々しさ。そして元気さ。さらには、きれい好きで、自然美や人工美に魅かれやすく、そこに喜びを見出すこと。――こういうわたし自身の「光」を見失うことなく、決して怠惰や自虐にならずに、生きていけばいいのだと、そんな気になった。