生命のよろこび
とても久しぶりに伺わせていただきました青森県・弘前の地でした。木々は赤く染まり、弘前公園のお堀の水面にも紅葉が映り美しく、前日ご挨拶回りに入らせていただき弘前の街を歩かせていただきました時から、新しい始まりを感じ心ときめきました。突然の訪問にも温かく接してくださり、話を聞いてくださりチラシを受け取って下さる方々、うちに来るお客さんにも案内しますよ、と快くチラシを置いて下さった珈琲屋さんや、真っ赤な林檎が可愛らしく並ぶ果物屋さんでもびっくりしながらも笑顔でお話くださり、林檎をくださった方もおられました。高麗恵子さんをお伝えさせていただきながら街を歩かせていただく時は何より嬉しいひとときです。夜のうちに各地から設営スタッフが東北入りし、早朝、美しい朝日が昇り、輝く空の下集合しました。息が白くなる寒さのはずが、内面から温かく、体はポカポカしていました。無事設営が終わる頃には小さいお子様を連れた方が並んで待っていてくださっていました。講演会が11時からと思い込まれて急いできたと、オープン前から待ってくださっていた方もおられました。開場させていただくと、皆さま高麗さんが染められましたマーブリング反物の美しさにとても感動されておられました。ひとつひとつの作品をじっくりご覧くださり、「北の大地」写真額、詩集のコーナーでは涙ぐまれる方が多くおられました。突然土砂降りになったりのお天気でしたが、高麗さんといだきしん先生がいらっしゃる時には晴れ間が見え、虹がお迎えしているかのように空に現れていました。作品展から講演会への展示替えの時には、駆け付けてくださっていた仙台高麗屋と結工房スタッフも一緒に、打ち合わせもしていないのに猛スピードで展示替えができ、講演会にお越しくださったお客様をスムーズにご案内させていただけました。無事講演会が始まり、私は会場の外の受付でまだいらしていないお客様をお待ちしていたのですが、ドキドキと胸が高鳴り、この地で、高麗さんが表現されるということ、自然も大地も共に聞いているように感じ、ふと涙込み上げました。途中、嗚咽と号泣が聞こえ出て来られた方は、思いっきり泣いて落ち着いたら戻りますと、外の木々の方へ行かれました。弘前の地の煉瓦造りの建物で、高麗さんが講演をされるとても貴重な時間と空間に、深く感動する夕刻でした。無事講演会が終わり、撤収時もみんなで一気に片付け、それはあっという間で驚きました。みんなで気持ちひとつに動く時の躍動と喜びを経験させていただき、本当に貴重な経験をさせていただきました弘前での尊い一日でした。心よりありがとうございました。