生き甲斐
ふとした生徒との会話がわたしを元気にしてくれる。授業中から本を読んでる子が、授業の後やってきて、「今これを読んでいるのです。」と話し掛けてくる。有川浩の『海の底』だった。「面白そうだね。」「結構、楽しめます。」そして、授業の合間、体育の授業に向かう3年生が、「先生、元気ですか。」というので、「体育館で着替えるの?」と言うと、「そうなんですよ。女の子も一緒だと良いのですがね。」と答える。一年のときは、まじめで冗談一つ言わない子だったのに……。生徒と心置きない話ができることが、大げさに言ってわたしの生き甲斐なのかもしれない。小説を読んでも、諸行無常の世の中で、人は、なんとか真っ当に生きようと苦しみ悶えている。老後家族に囲まれ、不自由ない暮らしをすることだけが、どうやら「幸福」ではないらしい。金銭的な不自由さがなくても、それだけではつまらなさそうだ。作品や会社を残すことでもなさそう。憂鬱で不安にさいなまされる夜が続く。でも、光と風と、さわやかな思いと確かな行動があればいいのだと思う。あしたのコンサートで、因果律と思い込みを払拭できるだろう!