生き抜く
毎朝、ベランダの色々な植物にお水をあげながら、一つ一つに話しかける、そんなひとときがありがたいと感じます。
大変遅くなりましたが、23日のコンサート、まことにありがとうございました。本当に何年ぶりかわからないほとですが1列目に身を置かせていただきました。舞台の袖から現われる先生のお着物姿に、昨年の10月のコンサートのこと、それからのことなど思い出され、こうしてお誕生日に先生がコンサートをしてくださるというよろこびが内から湧いてきた瞬間でした。高麗さんの書き込みで不死鳥というお着物と教えていただきましたが、まさに不死鳥でした。
コンサート前までは自分の罪など前日の応用コースなどのことが思い浮かび、逡巡しているような状態でしたが、一音が始まるとまったくの別世界でした。音がポンポンと身体の中に飛び込んできてやがて波の中に巻き込まれます。続くパイプオルガンも、外側を覆う様々な物を何もなくしてくださるように音が吹きすさぶ感覚でした。二部のパイプオルガンが始まったとき、パイプオルガンから笛の音が聞こえ、懐かしいようなその音が、静かに静かに身体に染みこみました。今、ここにいる自分は日本の京都のコンサートホールにいて、地球の中にいて、太陽系の中にいて、銀河の中にいてとどこまでも外へ外へと広がり星の中に浮いているようでした。そしてまた、逆をたどり、コンサートホールの一席にいました。宇宙旅行をさせていただいたような感覚です。どこでもない地球に生まれ、この時代に生きる、人生の不思議を感じます。生まれたら死ぬことだけが決まっています。それ以外は常に未知。どのようにしても生き抜きます。尊いコンサートをありがとうございました。
後藤美香