生きる力

迎賓館コンサートでの前半、「逃げも隠れもしない」と突然言葉が生まれ、自分で驚きました。「私は、ここにいる」と強い意志でした。余計なことは考えず身を任せていると、右側の脳に痛みが走ります。一瞬、母の状態かと頭に過りましたが、やがてそれも通り過ぎていきます。目を閉じ、迎賓館で今、先生と共にいることだけがすべてです。脊髄を通って真っ直ぐに上昇する蒼い力を全身で感じた時、生命そのものが先生と一つとなったのです。母の存在がありました。と同時に、ピアノが止みました。その後、先生は「壁を壊す」と仰いました。更に、「お腹を、腸を感じてください」と。「どこにいても、この感覚を忘れないで下さい」と仰り、再度ピアノを弾いて下さりました。五年前の手術前夜に、先生の生命の光が突如灯った子宮を感じて、演奏を聴かせていただきました。何もない、無限なる世界です。帰りの車に乗った後、仙コーヒーを一口いただくと、子宮からあたたかいものが全身に広がり涙が出ます。先生の元にいることが、何より母の力となるのです。怯むことは何一つないのだと、今書込みをしながら昨日生まれた自分の言葉のままだと気づきました。明日は実家に帰り、区役所で介護の申請、その他手続き等をして病院に向かいます。金曜日の検査次第で水を飲めるか決めるとのことでしたが、水が飲みたいと訴える母に許可が出ていることを願います。仙コーヒーと共に動きます。母にも一口でいいから飲ませてあげたいです。力を与えてくださり、ありがとうございます。今もお腹は、あたたかいです。