深まる秋
昨夜のコンサートも、日に日に深まる秋とともに生きていくことを考えます。府中に向かう電車の中で、遥か遠くの記憶の何かを呼び覚ますかのように、ピアノの鐘の音が響き渡ります。どこかで聞いた記憶の音を呼び覚ますかのように鳴り響くのです。ふと赤子のようになれない、薄汚れたものがかなしくなりました。自分の何が薄汚れてしまったのだろうかと、問い続けていました。その汚れを洗い流すように注がれる世界に、身を任せていました。力強く脈打つちからが次第に体を熱くし、生きている実感が大きく波打ちます。覆われたかなしみは、なくなりました。今こうして生きていること、今ここにいることがすべてであると、深く感謝するコンサートです。ありがとうございます。