波間を漂う
真の愛など全く解っていないことを、充分に思い知る一年でした。自分の「愛」だと思っていたことは、全て情けだったのではないか。ここ数ヶ月 高麗さんが話してくださっていた『情けの行方』は、おこがましくも自分の身に起こることと重ね合わさり、拝聴する日々を過ごしていました。本日、高麗さんが語られる「湖の底から打ち上げるように甦る魂」は「やっと生きていける時迎え…光の花咲く」と。「愛に生きたい気持ちを潰され閉ざされ…」という 古の女性の詩に自らの胸の傷み極まり、足は拘束着で締め付けられたようにこわばり、それが最後には いだきしん先生の音楽、高麗さんの御声で「誰のいのちにもある真の力…」と顕され 解き放たれました。元々は総ての生命が一つであったこと。それが甦った事実こそが真のロマンであると実感し、今も波間を漂うような 身の内の震えが止みません。琵琶湖の畔にて。新しい音、御声による真新しい経験を 本当にありがとうございます。
岩村ゆかり