母娘で創った「高麗恵子作品展」
ある日突然亡くなられたお母さんの魂を娘さんが共に表現する「高麗恵子作品展〜伝えたいのは永遠〜」 にお邪魔してきました。お母さんはコンサートや講座の道すがら気づくと私の前を歩いておられたり、会場でふっと出会ったりすることが多かった方です。私の書き込みやSNSをよく読んでくださっていたようで冷や汗ものですが、「いつもありがとうございます」と声をかけられ、慌てて「いえいえ、こちらこそありがとうございます」とお礼をお伝えする程度の会話しかしていないのですが、とにかくどこそこでよく出会う方でした。
展示会場はやさしい空気に溢れ、とても安らげる空間でした。展示された全ての高麗さんの作品、詩集の全てのページに目を通させていただき、高麗さんが表現される永遠の世界に浸りました。亡くなられたお母さんが寄付をされて集められた作品の一つ一つをどのように感じ、どう生きようとされていたのか、高麗さんの詩集を読み進むにつれそのことが浮かび、さらに読み進めるに従って想像していました。すぐそばで来場者の一人一人に丁寧にお母さんの魂と共にある「今」を語り続ける娘さんの気持ちも一つになります。いだきしん先生の演奏が静かに流れ、ご家族や協力者、来訪者も共にあり、小平という初めて訪れた土地で経験するいだき空間でした。
朝から銀座に別件の用件があり、熊本県のアンテナショップで買ってきたお菓子をお持ちしましたが、それはかつて緑に覆われ清流が流れる山の中にピアノを置き、いだきしん先生に演奏していただいた菊池水源の近くにある店の銘菓でした。なぜか、お母さんに似合うお菓子と感じ、お持ちしましたが、帰路に「色々な参加の仕方があるなあ」と感謝の気持ちが湧き出てきました。高麗さんの詩集から現れ出た永遠の世界、その豊かな時を与えてくださった母娘の魂の空間を満喫させていただきました。いだきしん先生が何度かお話しされた「三鷹村」にとても親近感を覚えますが、「小平村」もぐっと身近に感じてきました。