母に伝わったこと
多賀城から、たくさんの写真を届けて下さりありがとうございます。皆さんの輝く笑顔とマーブリングの美しさと共にエネルギーの風が届き、私も頑張ろうと元気をいただいています。希望の光です。
高熱が出たお陰で食欲もなく、いつも口にしていた食べ物を根本的に考えるいい機会となりました。今まで美味しいと思っていたものは美味しくなく、体が欲するものはシンプルな素材のものでした。食べたい物を食べ、美味しいと思えることが身に沁みてありがたいです。
私の体調が戻ってからと考えていましたが母のことが妙に気になり、直接主治医に話をお聞きしようと金曜日に急遽アポを取って行ってきました。17時に上がると仰っていた主治医は緊急手術が入ったとのことで、その間母と長く面会ができました。開口一番に母は「先が遠過ぎて・・・」と言います。「増える一方で、よくならない」との言葉に続き、「何も悪いことしていないのに。一生懸命、働いてきただけなのに」と言う母の言葉を静かに受け止めました。救急搬送されてから1ヶ月、動くことも出きず毎日病院のベッドの上で過ごす母の顔を見ながら、頭の中の血の塊がきれいになくなり奇跡が起こったこと、自分の出番はないと仰った主治医の言葉を伝えました。「先生は、余計なことは何一つ言わないから知らなかった。」やがて「ありがたいね」と言いました。その後、看護師さんにお願いして褥瘡を見せていただきました。右側の骨盤近くに確かに5cmほどのえぐられた傷があり、なかなか肉が上がってこないのだと聞き、その段差を見てこれではリハビリ病院も受け入れてくれないことを理解しました。今週になって尿があまり出ないため、管を入れていることも知りました。今日、尿検査を出したと言います。母に聞くと、尿意はあっても少ししか出ないのだと言います。今度は何が起こっているのでしょうか。
突然、私を探す声が聞こえ慌てて病室を飛び出すと、緊急手術を終えたばかりの姿で主治医がそこにいらっしゃいました。早速、今日訪問した理由として、1つは母の頭がきれいになった画像を見たいこと、2つ目は今後の対応について確認したいと告げました。6/23の手術後に私も見た右側の白い血の塊は、7/13に電話でお聞きした通り確かに黒く水に変わっていました。発症した脳梗塞も現状維持のまま、わずかにあるだけです。見事なまでの画像に感謝で頭を下げると同時に、この目で確認でき安心しました。今後の対応についても、やはり主治医の口から直接、正しく言葉をお聞きしたことで納得できました。急性期病院のため、褥瘡に対して手厚く手をかけられないこと、連携して他の病院へ転院する病院側の体制と役割を温和に静かに話されます。他県を選ぶと連携が取りづらくなることも知りました。更に、系列のその病院の担当課長は女性で、もともとは今の病院で課長であり主治医とも面識があるとのこと。褥瘡の治療と共にリハビリも併せて適切に行っていただけるだろうとの言葉で腹が決まりました。母の体に負担をかける転院が1つ増えましたが、先ずは早く褥瘡を直した上でリハビリ病院に転院するしかありません。私との話を終えると、緊急手術されたご家族へ説明の為に足早に立ち去る主治医に対し、感謝の思いで胸が熱く、頭を下げながらこの流れにのると決めました。病室に戻り、先生からきれいになった頭の画像を見せていただいたことを母に伝えました。気づけば、病棟は夕食の配膳で慌ただしくなっていました。帰ろうとする私に母が言いました。「この間リハビリの時に看護師さんが、立派な髪だからと言って固まった髪をとかしてくれたの。」「そう、よかったねぇ。気持ちよかったでしょう。」「気持ちよかったぁ。」母の頭を、髪を撫でた時、母が変わったことを知りました。伝わったのだと思います。褥瘡の回復も、尿のことも、すべてお任せいたします。どんなに先が遠過ぎることでも、生きる力が希望となり、必ず乗り越えていけるのです。一つ一つ、されどすべては先に向かっています。ありがとうございます。