KEIKO KOMA Webサロン

棚からぼた餅


一ヶ月振りに帰った実家の玄関脇に、父の薔薇が咲いていました。お水も肥料も何一つあげていないのに、それでも母の代わりに家を 守るかのように咲いていました。若き父が母のために植えた薔薇は透き通るような黄色で、頬を染めるかのように薄っすらピンク色を帯びています。あまりにも清らかで美しい姿に手を合わせました。父の存在が薔薇に息づいています。

その後に向かった面会では母はとても元気で、よく喋りました。私を見るなり「棚からぼた餅だ」と云い、思わず笑いました。他の方が15分面談の中、コロナ発生で急遽会えなかったことに加え遠くから来ているからと、今回も別部屋でのご配慮をいただきました。この責任者の若い男性は最初から私を助けてくださり、ありがたい限りです。面談中に途中でお風呂だと呼ばれたら、母は途端に「喉が痛いから夏まで入らない」と名演技を始め、彼と二人で大笑いです。「待ってるからいい女になってきな」「これ以上いい女にならなくていい」と母は云いながら、お風呂場へと彼に連れて行かれました。待っている間、何だか可笑しくて愉しくて一人で笑いが止まりません。戻ればケロリで別れ際にも「今日は棚からぼた餅」と嬉しそうに、もう一度云う母はかわいいなぁと私も嬉しくなります。「棚からぼた餅」いい言葉です。

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