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梅の花


その日はとても寒い朝でしたが、いつものように公園の中を歩いて出勤していました。顔に触れる冷たい空気が清々しくて、見上げる青空に木々の裸の梢がいっぱい伸びている風景は、どこまでも心が澄み、広がっていきました。
少し坂道になっている石段を登っていた時に、ピンクと白の梅の花がほころんでいるのを見つけました。その瞬間、ぱっ!と心に春の光が灯りました。梅の花は小さいですが、小さい花の中には春の喜びがあふれ出すほどに詰まっていて、それが可愛らしい微笑みになってコロコロと転がり出ているのでした。そうやって梅の花は、花を見つける人の心に、真っ先に春を届けてくれて、そして一緒に春を喜び合おうとしている・・そう感じられてなりませんでした。
梅の花を見ると、ぱっ!と心が明るくなり、そして嬉しいような楽しいような気持ちになるのは、子供の頃からです。子供の頃の家の庭にも小さな梅の木がありました。まだ真冬の寒い日、梅の花が咲いているのを見つけると、近くに行って飽きずに眺め、くんくん匂いをかいだりして過ごしていました。
もう遠い昔になってしまった何気ない一瞬が、なぜかずっと心にありつづけ、ほころんだばかりの梅の花に出会うたびに、寒い曇り日の庭の空気と共によみがえります。昔ではない、今そのものとなって、心をとても豊かに温かくしてくれます。
目の前の梅の花も、子供の頃の梅の花も、今、共にあるのです。

理由もなく、とても梅の花のことを書きたくなり、この場に書かせて頂きました。
ありがとうございました。

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