朝の光景
狛江での高句麗伝説の翌朝は、雲一つ無い爽快な青空が広がっていました。職場へ向かい、公園を抜けて行く時、太陽の光が今までとは違うことを感じてなりませんでした。透明で清らかな光線、神秘的なその輝きに、歩きながら思わず何度も太陽を降り仰ぎました。いつも太陽を見上げる時の眼に痛いような眩しさが全く無く、その光はどこまでも透明で優しく、荘厳な存在を感じさせるものでした。
冷たい風が強く吹き、木の枝に僅かに残る木の葉が太陽の光を受けて金色、銀色に輝き、くるくると回りながら一斉に吹き飛ばされて行きました。風はゴォーッとうなりながら木々の梢をわたって行き、木の葉は「かさかさかさ…」と乾いた音をたてながら一斉に歩道の上を舞い散っていきました。そして歩道は、紅葉の紅い落ち葉や、さまざまな形をした黄色や茶色落ち葉で彩られ、まるで着物の美しい生地のようでした。深く深く内面に響き、今でもずっと忘れられない光景として胸に残っています…。
冷たい風も、凍てつく早朝のも私には苦ではなく、青空に向かって胸は開き、これから何か壮大なる展開に臨んで行くようなときめきを覚えました。
とても心に残る朝の光景でしたので、ここに書かせて頂きました。
これから京都に向かいます。本日の京都コンサートをどうぞよろしくお願いいたします。