時間のない世界
京都に出かける朝、あるはずの物が見当たらずバタバタと慌てふためきながら、家を飛び出しました。どう考えても変なのですが、バッグと本が無いのです。探す時間で手間取り、冷や汗をかきながらも時間は無慈悲に過ぎていきます。「時間に余裕をもって準備すること」呪縛のように鳴り響き、だらしなさが露呈する朝です。京都に到着し、植物園に向かうと時間のない世界がありました。風は心地よく吹き、鳥が囀る中で花たちが美しく咲いています。日曜日なので多くの方たちが寛ぎながら笑顔で歩く姿は、そこにいるだけで幸せになります。花が咲いているだけで人はこんなにも穏やかに、やさしくなるのだと、同じ空の下この日常が1日も早く取り戻せますようにと願います。時間に追い立てられる日常から解放され、コンサート会場に向かいました。
「不滅のほまれ」まるで地震が起こったかのように、一音一音が体に響き渡ります。自分の中の不純なものが剥がれて浮き上がるように、澄み切った水と二層に分かれていきます。「愛ははじまり」メッセージをお聞きするだけで、身が引き締まります。講座で「許さない」と仰った先生の言葉が蘇ります。演奏が始まると、まるで先生の中にいるように、何もかもが一つです。先生と一つになる世界、「愛ははじまり」を経験させて頂きました。心臓の音と仰る音が、力強く私の中で鳴り響いています。ありがとうございます。