KEIKO KOMA Webサロン

春、荻窪


朝の井の頭公園を歩いていると、草も木も花も、春の只中で勢いよく芽吹いているのを感じます。椿の花、梅の花、こぶしの花、まんさくの花、ゆきやなぎ・・・次々と咲いていきます。草むらだと思って通り過ぎていた所も、いつの間にか青いつぼみをつけた茎がすっと伸びているのを見つけ、チューリップなのでしょうか?どんな花が咲くのかなと思い、毎朝傍を通るのが楽しみになりました。
花は突然咲いていて、それに出会う瞬間の驚きは新鮮であり、光が体の中に飛び込んで来ます。昨日の朝になりますが、鮮やかな黄色のラッパ水仙、その脇に小さな紫色のクロッカスが咲いているのを見つけて、思わず「かわいい!」と言いながら写真に撮りました。
花の近くに寄ると、花の言葉を聞いたように感じます。言葉は分からずとも、語りかけてくれるその感じがやさしいのです。
写真を撮り終えてその場を離れていくとき、ふと悲しみを感じました。その瞬間の花には二度と会うことがないからでしょうか。でも心の中に花は残り、今も何かを語ってくれています。花のやさしさが心の中心に在ります。人間も、毎日同じ人と会っていても、その瞬間のその人には二度と会うことはなくて、会っている今が尊いのだとわかるのです。

今日は荻窪でのコンサートがあります。荻窪は身近な場所なのに、三鷹にくらべると心の距離が遠くて、今まで殆ど立ち寄ることがありませんでした。荻窪駅で降りる時、上京したての頃に慣れないバスに乗り、杉並公会堂脇の大通りを通って電話の手続きに行ったことをいつも思い出します。郷里の気候とは違う、雨ばかり降る3月の東京で心に感じた不安、悲しさと、そこから続く苦しい時間までもがよみがえるのですが、そうやって生きていたこと自体を今は肯定できることが大きな救われです。苦しかったけれど、それは生きることの始まりであったのです。それは人間になる始まりであり、いだきしん先生と高麗さんに出会わせて頂ける道へと続いていたと分かることはとても幸せなことです。
今年に入ってから何度も荻窪でコンサートが開催されるようになり、何となく避けていた荻窪に何度も出向くようになり、コンサートを経験していくことで心が変化していることを感じます。心の変化成長は、過去の記憶とそれにまつわる土地がとても重要なはたらきをしていることを実感します。コンサートが、その時、その土地で、開催されるということのすごさ、先生のお働きの計り知れなさをあらためて実感します。
本日も参加させて頂けること、荻窪に行けることが喜びです。どうぞよろしくお願いいたします。新しく生きることは続きます。

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仙台 電力ホールにて
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高麗恵子ギャラリーにて
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結工房にて-2