救済
本屋大賞ノミネートの浅井チョウ作『性欲』と、西加奈子作『夜が明ける』とを読む。前者は、いまはやりの「多様性」を検証し、その欺瞞を鋭く突く。後者は、世の中の理不尽を鋭く暴き、それでも「救済」に近づいてくるストーリー。どちらも圧倒的な正義感や自己責任論では、「独善」に至るばかりで、だれかを下敷きにして、一時的な安寧に酔っているにすぎない。真の救済は、傷ついたもの、マイナーな存在の、強情さや諦めない性癖や行動からもたらされるのかも。
ここのところ、もう先が見えない、このままでは破綻に至るしかない、という思いに悩まされている。しかし、ちゃんと思いを書き留め、絆をたしかめ、そして、本を読むことで、ふしぎに正常心を失わないでいる。自暴自棄にならず、苦労や苦痛を、むしろ生活の色付けのように思って、楽しみもしている。いくら頑張ってもだめではなく、頑張って生きていることをよしとしている。
まして、あした、イダキコンサートという救済がある。(今日の応用講座は、入試業務で行けなかっらが、あさっての「存在論はいける!」)努力は報われる気がする。