抜け出す
渋谷でのコンサート第一部「愛の行方」のメッセージをお聴きし、考え込みました。愛が行方不明、正に自分もそうなのかと不安になりながら演奏を待ちました。どれだけ自分がブレているか、今の状態を思い知る一部です。揺れ動くもので、自分の中がいっぱいに溢れていました。休憩時間にロビーに行くと、マーブリングのダウンコートがたくさんありました。一点、一点、他の方たちと眺めているだけで嬉しくなります。美しい絵画を見ているようで、自分が着たらどうなるかと想像するだけでワクワクし、皆さんと笑い合い、幸せな時間を過ごし席に戻りました。先程まであった揺れ動くものは、自分の中から無くなり目の焦点が合ってきてホッとします。
>第二部「人生の幸い」秘密の呪文のような始まりに、ドキドキしながら耳を傾けます。そして突然の、まるで違う別世界に誘われました。まるで違い過ぎて驚くと共に待っていたと分かる感じです。愛の風に乗って、自由に動き回り、世界中を駆け巡るのです。何て何もなく、気持ちがいい世界なのでしょう。永遠に続いてほしいと願います。本来の自分の姿を見ました。アンコールでも、まるで別世界でした。何かの鳴き声かと思い、耳を思わず澄ませました。新生物なのか分かりませんが、今までに存在しない新誕生のような先生のピアノに愉しくて嬉しくて幸せに満ち溢れます。焦点の定まらない揺れ動きから、無事に抜け出す事ができ、ありがとうございます。