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我事に於いて後悔せず


いだきしん先生の講座での宮本武蔵の兵法や書き残した五輪書についてのお話がとても強く印象に残っていましたが、昨夜の 先生のピアノを弾くお姿は宮本武蔵が剣を置いて、ピアノを弾いたら・・との想像にオーバーラップしました。力を抜くことは本音の源であり、力を抜いた状態から内面が宇宙、大いなる存在へとつながり、愛の力が生まれることがピアノを弾かれる先生のお姿とピアノの音から伝わってきました。

武蔵は晩年熊本に住み62歳の生涯を終えました。NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリンピック噺〜」で六代目中村勘九郎演じるマラソンの父 金栗四三が、妻となるスヤ(綾瀬はるか)と自転車を押しながら走る姿が映し出されたミカン畑。その豊饒のミカン畑の向かい側に聳える山裾に夏でもひんやりとした空気に包まれる「霊岩洞」に籠り、記したのが五輪書といわれています。熊本のテレビ局時代にアイデアを練る時、その後 いだきしん先生、高麗さんと出会ってから、これまでにない新しい企画を考える時などは必ずこの霊岩洞に一人籠もって洞穴の外に広がる木々の緑、囀る鳥の声、虫の声を楽しみながら心静かに佇みました。

8月の大転換経験から未来を創る一員としてのみに生きる今、20代の頃から心にある「我事に於いて後悔せず」との宮本武蔵の独行道の一条の言葉の意味がよく理解できるようになりました。剣術、兵法のみならず書画をはじめとする芸術に親しんだ武蔵が13歳から29歳までの六十余度の勝負に無敗だった剣術の奥義を記した五輪書は命賭けだからこそ生まれた生命の極意と感じます。

先生に出会った頃からピアニストという言葉に違和感があり、武術家がピアノを弾くようなイメージはありました。もちろん先生は武蔵ではありません。生命を救う方です。そのピアノからは哲学が聞こえ、文学が薫り、生命が癒され、宇宙を感じ、広〜い内面の世界へ誘われ、人、自然と交流し、愛の力を得るチャンスを絶え間なく創り続けて下さいます。命賭けの戦いには万人の生命を救う戦いがあることも示して下さいました。先生ときちんと繋がることで存在を明らかにし、これから実現する未知なる未来への道を開拓する希望に溢れる今です。いつもありがとうございます。

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