憂鬱ではなく

関西は昨日から梅雨入り。今日も鬱陶しい雨が降り続き、心も憂鬱かと言えば、そんなことはない。いま、中村文則の『逃亡者』を読んでいて、ある男が、“尊師”に浄霊を頼んでみたり、“リーダー”に「心の平穏」を与えてもらったりしながら、あまり自分らしさを取り戻せていないところがあり、「超能力者」や「宗教家」に頼っても、一時的な「解決」はあっても、それではダメなんだと改めて思う。「宿業」や「悲運」から解放されても、自分を見失ってしまえば、何にもならないし、人生、輝かないだろう。だから、いくら急場をしのいでも、そこで止まってしまってはダメなのだ。――なにかこれからやらねばならないことや、学んだり、行動したりしないといけないことが目白押しなのだが、心の底の方では、わりと明るい気持ちがポコポコ湧いているのである。

一昨日、二週間ぶりに山歩きに出かけたら、あまりの暑さのせいか、岩を登っている途中でフラリとしてしまった。年のせいなんて思わないが、やはり軽い「熱中症」だったのだろう。わずか4時間足らずの歩きなのに、やたら喉が渇き、疲労感が募る。でも、昨日一日、大事を取り、十分寝たので、今日はすっかり回復。そのことも憂鬱をしのげている理由かも。