慈悲の花開くように
北上でのコンサートをありがとうございました。盛岡とも仙台とも違う叙情性を感じさせる演奏でした。哀歌とありましたが、いつも訳もなく涙が流れるのは岩手だとふと気づきました。
第一部の冒頭では何かが体当たりして体を出入りしているような感覚と、胸が塞がれるような重苦しい感じが混じり、先生が再び登場して演奏されるまでどんよりしていました。
そのあとからはとにかくダイナミックな空間の変化に圧倒され、大自然の圧倒的な力とその地に生きる人々の押し込められた哀しみの重さに空間が揺さぶられるようで、体に受ける感覚がすざましい感じでした。突き上げるような大地からの想いに、泉が涌き出るようにどこまでも優しい先生の音が染み渡り、終わった後は首が硬直して動かなくなっていたことにびっくりし、想いの重さを痛感させられた第一部でした。
第二部は大自然の大逆転のような圧倒的な浄化の力を感じました。祓いの鈴の音のような音が頭の中に響きわたり、呼び起こされるように大地から白いエネルギーが生み出され、空に向かって白い慈悲の花が開くように感じました。すべてを赦し受け容れる観音様のような慈悲の存在を感じ、不思議と涙があふれました。
今日はコンサートにむかう途中に昔の治療院にいらしていた方と偶然お会いし、宮城で被災されたその方と出会う巡りもまた今回が大切なコンサートだったのだと改めて感じました。先生の奥様の縁の地である北上に慈悲の光注がれ、心豊かな未来が拓かれる予感に満ちた北上のコンサートでした。豊かな時をありがとうございました。