KEIKO KOMA Webサロン

感覚を取り戻す


「快楽と幸福とは、隷属と自由とが違っていると同様に、全く違った二つのもである。」とは、アランは言う。「人間は、人からもらった快楽などでは退屈して、自分で獲得した快楽の方を、はるかに喜ぶものであるとも。」ーー明日、奈良の山にであっけるのを楽しみにしている。
ところが、この「自分で作り出す」幸福に、とても遠い人がいる。「発達障害」という認定で、高校生になったとき、自殺未遂をし、その後、作業所などに勤務し、28歳になる男性。ずっと、なぜかわたしのところには通ってきているのだが、体調を崩し、半月ぶりにやってきたのだが、ずいぶん体が鈍くなってしまっていることに驚く。仕事に行かないで済む日が最高で、一日ゲームをして暮らしているのだとか。職場でも家庭でもほとんど会話がないし、わたしがいくら話しかけ、問いかけても、単語で答えるのがやっと。スマフォに向かって、「声」で検索する以外に、かれの発話を聞かない。それでも、わたしは、根気良く、話しかけ、整体をしてやったりする。すると、1時間ほどで、ずいぶんからが緩み、目の力が回復し、動きが滑らかになるのが、うれしい。かれも、だからこそ通塾しているのであろうが、今日は、特段かれの体が鈍くなってしまっているのに驚いた。一生懸命、話しかけ、声を出させ、表情を取り戻させるのに苦心した。
感覚が繊細で、機能的で、活発であることが、それこそ「幸福」の基礎であるように思うのだ。体の「免疫力」が大切であるように、「五感」の健全さこそ、人間生活に欠かせないことだろう。それと「言葉」をうまくつなげるのが、わたしの仕事だと認識している。
 

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