愛
人間にして戴いてありがとうございます・・と、今、胸の奥からこみ上げるように言葉が生まれます。愛は今、揺らぐことなく自らの裡にあります。頭をよぎること、心に浮かんでくること・・どんなに尤もらしく思えることでも愛に照らすと全て嘘であり、相手にする必要など皆無です。愛が中心にあると、頭も内面も、以前よりも整理が早まり、心は軽くなり、余計なことはどんどん捨てて必要なことを考えたり動いたり出来るようになっています。愛をそのまま現して生きられる時が来るとは・・。自分にとって、人間にとって、これほど求めて止まないことはありません。
いだきに初めて出会った時、髙麗さんの詩、「愛」を読みました。愛は自分からはとても遠く思えました。それでもCD「愛」を聴くと涙ばかりが流れました。そこから長い長い時間が経ちました。9月28日の三鷹のコンサートに参加した時、後半のある時、地球上のあちらこちらで、それまで押しつぶされるようにしてあった愛が一斉蜂起し、まるでプラカードを打ち立てるようにして愛の行進があちらこちらで始まったと感じられて、そのとき突然、高麗さんの「愛」の詩が、自分の中で息をし始めました。「どうかあなたのこころに伝わりますように・・」あっそれは今なんだ!とわかって、また涙ばかりが流れました。それは、人間に生まれたのに人間に成れない悲しみの涙ではなく、悲しみから解放されて、人間に生まれたことの真の意味を実現していける時が来たことの、喜びと感謝の涙です。
今日から10月が始まり、真っ白い雲がいくつも浮かんでいる青空が、そのまま心いっぱいに広がります。風にのって金木犀の香りが何処からともなくふっと漂ってくると、幼い頃に感じた秋のあたたかさ、やさしさ、安心感、伸びやかさが、そのままに今の自分に還ってきて、この内面いっぱいに感じられる瞬間は、とても深くて尊いです。
生きていることに終わりも限界もなく、何度でも新しく始められることは喜びです。
表現させて戴いて、ありがとうございます。今日からまた新しく生き始めます。