KEIKO KOMA Webサロン

愛おしい


朝、四回目の足の手術を受けてきました。診察室に入ると、主治医が「今日も何かを聞くの?」と私が言い出す前に聞いて下さったことが嬉しくて、バックの中からいだきしんサウンドシステムを出して見せました。「これ、いいですか?」「僕がダメって言ったことないじゃない」いつもと変わらぬ笑顔で、あたたかな手で私の足を診て下さります。手術前の緊張が和らぎ、この先生に出会えて本当によかったと思いました。手術室でサウンドシステムから流れる先生のピアノを久し振りにお聞きしました。主治医が超音波検査で今日の手術の場所の作戦を練っている間、六年前の病室でずっと先生のこの音に包まれ過ごしていたこと、退院後は愛犬Jullyがひとり過ごす部屋で彼を助けていただいたことを思い出していました。「今回まだいける部分を見つけたから、手術後も状況を見てまたやるか考えよう」主治医の声に、もう今回が最後の手術だと思っていたので、まだ私には光があると嬉しくなりました。先生のピアノが今の私を包み込んでくれていました。前回の足の手術から一年五ヶ月が経っていました。モニターに映し出される私の足の静脈もリンパ管も何もかもが美しく、何とも言えない気持ちが湧き起ります。「リンパ浮腫にならなければよかったのかもしれないけれど、今こうして自分の体を見ていると美しくて、愛おしくて堪らない」と伝えると、彼はリンパ管静脈吻合術を行いながら「そうだね」と静かに云いました。サウンドシステムのピアノが美しく響く中、「このピアノ、すごいね」と彼が呟きます。「自分一人だけで囲い込む名医はたくさんいるのに、なぜ先生は世界の学会で講演し続け、自分の技術を世界に公開しているの? 」「多分、プライドがないから」いつものように彼は手術を行いながら、私のどんな問いかけにも即座に答えます。プライドがない・・・すごい言葉だと思いました。一年中、多忙極まりないスケジュールで日本と世界で活躍されている彼の端正な横顔を見つめました。いつお会いしても変わらぬ笑顔と、あたたかい手で私の足に触れ、手術を行いながら穏やかに話す彼は、かっこいいと心の底から尊敬します。術後に必ず二人で撮る写真は、私の宝物です。今回も二ヵ所吻合した左足の場所をさすりながら、愛おしさと共に私を支えてくれている体のはたらきに感謝がこみ上げる今です。ありがとうございます。

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京都 高麗屋にて
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府中の森芸術劇場 どりーむホールにて
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結工房に飾ってある額を先生が いい額だね、とおっしゃいました。ピッタリと。。