KEIKO KOMA Webサロン

応用コース


金曜日にかかってきた施設からの電話で、またしても考えざるを得なかったことがあります。母をやはり特別養護老人ホームに入れた方がいい、先ずは見学してそれから決めるでもいいからと言われました。理由は二つです。褥瘡が治ったことで訪問看護がなくなる分、今後は一日三回から訪問ヘルパーのみの二回に減ること、お泊りしていても自分がどこにいるか分からなかったり、精神的に不安定になることが増えたので落ち着いて一箇所にいた方が母にとっていいのではないかとのことでした。先ずは動いてみようと、教えていただいた施設を調べ翌日土曜日の朝のアポを取りました。帰宅前に買い物をしながら、いつものように母が喜ぶものを考えて選ぶ時間は幸せです。重い荷物を持ちながら歩く夜道も、母が待っているからと思えば何の苦もありません。珍しくお代わりして食べてもらえると、最高に嬉しいです。施設に入ってしまうと、こうして母と食事もできなくなってしまいます。入ったら最後、亡くなるまでこの家に戻ってくることはないと思うと、何が一番いいのかと考えても答えは出ません。翌朝、施設は見学したものの胸の中はすっきりしません。母はお泊りに出発して誰もいなくなった家に戻ると、雑草で荒れた庭の真ん中に、いつ咲いたのでしょうか。真っ直ぐに伸びた深緑の葉っぱの中に、白い水仙が花を咲かせていました。玄関脇では、父が母の為に植えた薔薇が風に揺れています。お水もあげていないのに、花を咲かせてくれている姿に涙が滲みます。主を失うことは、あってはならないと花を見つめながら思うものの、気持ちは揺れていました。夜に応用コースがあり、先生にお会いできることが支えでした。会場で目を閉じ、先生のピアノをお聞きしながら、「あきらめるために、いるわけじゃない。道を切り開くために、ここにいる」はっきりと言葉になった時、ピアノの音が止みました。先生の姿を見ながら、拍手しながら涙が溢れる講座の始まりでした。対象化して見ていることの話は、母のことのようにして体に入ってきます。続くハイデガーの四つのことも、ワインそしてコーヒー豆の先生の例えが体にそのまま入ってきて、またしても涙が滲むのです。愛おしさと慈しみと感謝でいっぱいに溢れる応用コースです。先生にお会いすること、いだき講座を受講したこと、これからが問われることなのだと自覚する今です。

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いだき本社にて
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高句麗伝説
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三鷹市公会堂 光のホールにて