富士に登って
これでもう登り納めにしようと思って、出かけた富士山登山だったが、昨日早朝ご来光を拝み、「御鉢巡り」をして、3776mの高みに立ったら、すっかり気持ちは改まり、希有の壮大さと清澄の大気とに心は癒され、体内に漲るものを感じた。さすが「世界遺産」に登録されるだけのものはあるのだと思った。(実は前日、外人の多さにあきれ、山小屋の商業主義にすっかり嫌気がさしていたのだが……。)まだまだ頑張れるぞと自分に言い聞かせた。帰路は御殿場口へ出たが、振り返って富士山を見れば、もうなにか生きる後押しをしてくれているようにも思うのだった。
その前の週も夜行バスの往復であり、今回も夜行バスで新宿から吉田口へ向ったものだから、さすが7合目からの急坂には音を上げてしまった。立ち止まっては歩き、歩いてはとまりの連続で本八合目につく。そして、霧と雨でびしょ濡れになってしまった。しかし、何とかコースタイムの範囲で登れた。それだけに昨日の朝の晴天と、雷が下に聞こえる雲海、宇宙に近づいたような高所感覚はありがたかった。
今日は休養日と思いつつ、とうとう民謡論考「甚句論」を擱筆、原稿用紙50枚くらい。明日から学校も始まる。新しく生きるぞ!