“密集”
6限目、高校三年の「技能コース」(スポーツ専心組)に授業に行くと、男子ばかり24人ほどの生徒が、机をくっ付け合い、「密集」して、もごもごしている。まるでラッコの集団のよう!しかし、ふざけているでもなく、緊張しているのでもない。ごく自然に、力が抜けていて、くつろいでいる感じ……。
「な、何してるんだ⁉」と言うと、真面目そうなやつが、「いや、今を楽しんでいるだけです。」と、済まして答える。(三年生は、もう数日で、事実上の授業が終了する。三学期は平常授業はなくなる。11月いっぱいで、後は期末考査だけ。)友だちと、仲間たちと、至近距離で、勉強したり、ふざけたり、ときにまじめに卒業後のことを話し合ったりして、高校生活の最後のときを分かち合っているのだろう。――微笑ましいというより、なにかいい状態で生きているなあ、という感動が湧いてきて、くだらないことで心配ばかりしたり、嫌なことに憤慨を繰り返している自分自身が解放される思いがした。今日は、語彙力養成のプリント学習だったが、とても気持ち良く「国語」の授業ができた。かれらとの別れも近いのが少し残念だ。(11/22)