存在そのままに 三鷹高句麗伝説
あまりに衝撃的な高句麗伝説、生々しいこと、音も声もそのままの存在がそこにあるかのように響き、歴史をそのまま体感している感覚でした。目が悪くなったように感じる霞は闇であったことがわかるクリアな視界に驚きを隠せません。
恐れていたこと、母の想いが表現された舞台に胸が張り裂けそうになりました。わかっているからこそ、すがりつきたい想いを押し込め封印し、声には出せずとも止められぬ涙に今生での別れを受け容れるよりなかった魂を感じました。ただ生きていただけなのに、なぜこのような理不尽なことがあるのかと叫びたい想い、彷徨うように歩き始め、月の光は心に優しく、小さないのちはそっと寄り添うようにありました。ふと気付く、悲しいのは私だけではないと。悲しみ満ちる大地を受け容れ、こんな理不尽な世を変えると生まれる想い、悲しみは愛の光に包まれていきました。同時に涙声になる高麗さんに、時空を超えてひとつに在る存在の不思議を感じてなりませんでした。
太鼓の音、三味線の音、体内の宇宙と共鳴し驚くばかりで、始まる前後に拝見した会場の巻物の詩の美しさに思わず立ち止まり、時を忘れて魅入ってしまいました。二度と滅びない国創り、共鳴する心ひとつに動いていきます。ありがとうございました。