入試業務を終えて
やっと(高校の)入試業務が終わり、ホッとしたが、疲労感とともに、この先の教育についての暗澹たる思いが弥増しになる。大学入試に向けての「受験教育」だけが教育の中身の大半になってしまっていて、その問題点を言い立てながらも、「現実的経営優先」と文科省主導の改革盲従とで、先延ばしばかりの現状が「壁」のようにあり、閉塞感を募らせる。わたしは、「受験勉強」なんて、学びや勉強のごく一部に過ぎないと思っているが、教師も生徒も「受験勉強」こそ最優先すべき事がらだと考えて、わたしが異論を唱えると、「それは先生だから言えること。基礎知識も足らない、本も読めない子どもたちをまずはフォローすべきでしょう。そして、集団生活がきちんとできるようにきちんと躾をやらないといけませんよ。」と逆に批判される。それどころか、クビにされかねない。口では、思考力養成の必要を言い、アクティブラーニングの導入を叫びながら、子どもたちの未来を心配するのでも、多様性を承認するのでもない。だから、採点業務をしている教員の疲れようが甚だしい。「やらねばならぬと思い込んでいる人は、焦り、疲れる。」と野口晴哉師の言葉がある。「一心にやりたいと思い込んでやっている人は疲れない。」ともある。
教育の現状を憂えていても仕方ないから、自分で考えたやり方の教育を実践していくしかない。国語教育の刷新と改革を急ぎたい。しかし、どうしても「やらねばならない」と、すぐに力み過ぎる。理想の学校を創るまで、あらゆる機会を捉まえ、いろんな人を相手に、自分のやりたい国語教育を展開していこうと思う。楽しく、そのくせ真剣な「言葉学び」を!