偉大なる贈り物 新宿高句麗伝説
終盤、開かれた天の圧倒的な空間、胸にそそがれる光の粒子はまるで偉大なるギフトの様と感じました。素晴らしい高句麗伝説をありがとうございました。
始まる前は空間が霧の中にいるようで、心臓をめがけて何かが押し寄せてくるような詰まった胸の苦しさを感じていました。身体は熱を帯び、まとわりつくような何者かの感覚、ただ静かに開演を待つよりありませんでした。
はじめのパイプオルガン、少しずつ空間の霧が晴れ陽が差し込むように天からの光が舞い降りてきました。内面の宇宙が渦を巻き始め中心がどんどん定まっていくような感覚でした。続く琴の音は大地に沈み込み、まるで媒体になったかのように眠る魂が揺り動かされていくのを感じました。フェニキアの水色の世界、抜けるような空の澄み切った世界、時を越え場を超えあらわれる空間の透明感に心洗われました。
大地からあらわれる蒼い龍、うねるように空間を舞い、あらわれる蒼い存在。恐ろしいほどに圧倒的な存在感、畏怖する神聖なる世界でした。太鼓の音は国造りの音、躍動する生、高句麗のはじまりを共に天の光を受け立ち上がる高句麗の精神、光の球が拡がり空間とひとつに体が引き裂かれそうに感じました。
印象的だった音に反応して細胞が弾かれるようなフレーズ、細胞が踊っているようなこの感覚は量子力学への可能性を感じました。体が開き巨大な光の柱を受け容れるように抱き、差異なくひとつに重なった時、何もなくすべて在る時のない世界、永遠へと続く高句麗の愛がありました。今も幸せなぬくもりが静かに胸にひろがっています。
最後のアンコールではノアの方舟に乗っているかのように浮かぶ宇宙の大海にみんなのいのちひとつに在るような不思議な一体感を感じました。偉大なる贈り物をありがとうございました。