不思議な感じ
応用コースの会場に向かいながら、お聴きした先生のピアノの音が邪を祓うかのように響き渡りました。磁石に砂鉄が群がるように、一極集中して仕事が溢れかえる中で正直ヘロヘロでした。ですが、聴こえてくるピアノの音が清水のごとく、体に入ってきました。先生の元に向かうことの大きなはたらきが、身に滲みます。イヤホンで聴きながら遅れて会場に入った瞬間、やはり先生のお姿を見ると心底安堵します。安心して居られます。最後の方で仰ったモーゼの十戒の石板の話をお聴きした瞬間、なぜか胸が明るく広がりました。突然、うきうきとしたのです。バスを待ちながら携帯電話で、その石板を検索していました。その時、私は何て狭い生き方を、つまらなく生きているのだろうかと思ったのです。そう思ったら、何かが変わりました。今まで会社から帰ると、くたくたで気づけば椅子の上で泥睡しては朝方に目覚めるのです。そして毎朝、「またやってしまった」と、後悔から一日が始まるのです。どこかで、この生活に決着をつけなくてはと思いながら、長い間続いています。京都の応用コースで先生が仰った「転換」で、「一日働いている時間を、無我夢中で働けるか」との言葉が胸に残っています。人事異動で来たばかりの同僚が心が折れて、突然退職してしまいました。一番の繁忙期に私一人はしんどいですが、三鷹の講座の翌日は、会社での自分の在り方が違っていました。汗かき、小走りしながら、状況は変わらないのに前に向かっていました。一人で大変なのに、うきうきと楽しくなるような不思議な感じです。このまま、やってみます。