ドストエフスキーよりトルストイか
わたしの知人が今日のオンラインの集いで、「ドストエフスキーよりトルストイが偉い気がする宣言」という詩を朗読した。
ぼくは信仰に救いを見出した
穏やかな臨終を迎えたドストさんよりも
最後まで人生に悩み放浪して冬の駅舎で亡くなった
愚かな老トルストイが
だんぜん偉いと思う
プーチンはドストエフスキーが大好き、ということもあって、西側諸国との友好よりも「ロシア人魂」を追求したドストエフスキーに決別したい心情がったのかもしれない。今回のロシアの残虐非道を目の前にすれば、だれだってそういう思いに傾きたくなるが、やはり二者対立で理解できる問題でもなさそうだ。そのトルストイの死の枕元には、『カラマーゾフの兄弟』が置いてあったという。「和解」は難しい。しかし、それでもこの難所を越えていかねばならない。文学と戦争を一緒にするな、と言われても……。