そのままひとつ
昨日の琵琶湖の湖面を見て驚きました。一緒にいた友人と「いつもとまるで違う」と叫んでいました。今まで見たことがない世界です。一筋の透明な光の帯が流れていました。空と光と風がそのまま映し出されていました。琵琶湖に実際に来て風に吹かれて体感する。この時があるからこそ、びわ湖コンサートは最高なんだと実感するひと時です。第一部「水の宇宙」お聞きしただけで水の世界が広がります。「琵琶湖は鏡のように空をいだき、人の心をうつしとる、日本の魂の水面」美しい言葉に、先ほどの湖面が蘇りました。先生のピアノの音に包まれながら、自分の中に押し込めたり閉じ込めていたもの、そんなものがあるのだろうかと、ふっと感じました。今まではあったのかもしれません。そう錯覚しただけなのではないか。今の自分の心はどうなんだろうと思った時、突然墨色が表れました。深紫色と共に流れていくのです。どこに流れていくのでしょう。何もない水の流れを追っていました。第二部「内なる宇宙」先ほどの墨色と深紫色の行方が気になり、知りたいと意識がはたらきます。でもそれは違うと直ぐにわかりました。一度意識すると、なかなか集中できないこともわかりました。「湖面は沈黙の鏡」「沈黙の中に未来を聴きとる感性を取り戻すことを求められるでしょう」ひたすら耳を澄ましていました。静と動はひとつとわかりました。先生がお伝えしてくださった世阿弥の幽玄の世界でした。内なる心の内なる宇宙。そのままひとつ。すごいコンサートです。ありがとうございます。